「NIJ規格」は、米国司法省のNATIONAL INSTITUTE OF JUSTICE(司法国家学会)の頭文字をとった略称です。
NIJ規格は対弾丸防御測定の規格として世界に普及しています。
NIJ規格テストは図1のように、銃口から防弾ベスト用パネルまでの距離をA(5m)とし、弾丸がB地点(銃口から2m以内)とC地点(B地点から0.5~1.5m)を通過した時間をタイムウォッチで測定し、初速を計算します。
防弾ベスト全面が確実に規格に合っていなければならないため、着弾点は図2のように、防弾ベストのどの端からも、少なくとも7.6cmは離れていなければなりません。
そして着弾点同士は少なくとも5cmは離れていなければならないのです。
裏材の測定
ローマプラスチリナ#Ⅰ裏材粘土の測定が表1の6発のテストの前と後になされます。
測定は下記の用具と方法を用いて行われます。
(a) 落下おもり スティールスフェアー
(b) 落下おもりサイズ 直径63.5㎜±0.05㎜(2.5インチ±0.001インチ)
(c) 落下おもり 重量 1043g±5g(2.29ポンド±0.01ポンド)
(d) 落下高さ 2.0m(6.56フィート)
(e) 落下場所 縁より76mm±3mm(3.0インチ±0.125インチ)でくぼみの中心同士の間が203mm±25mm(8.0インチ±1.0インチ)それぞれの測定落下は条件つきの裏材の上にスティールフェア―を自然落下させます。
最小でも5箇所の落下が20mm±3mm(0.787インチ±0.12インチ)のくぼみの深さに揃わなければなりません。
くぼみの深さは深さを測る測定器を使って準備されたオリジナルの平らな裏材から測られます。
一般的な事前テスト位置は図のようになります。
着弾位置の印付け
着弾位置をはっきりとサンプルに印付けます。
着弾時の入射角は指示角度の±5度です。そして着弾点は縁より76ミリ以上離れており、他の着弾点とは51ミリ以上離れてなければなりません。。
「レベルⅡ」「レベルⅢA」
NIJレベルⅡは小型拳銃、レベルⅢAは大型拳銃に対応しています。
NIJではⅠからⅣまでのレベル分けをしています。
レベルⅠでは小型拳銃でも貫通してしまう可能性があります。
逆にレベルⅢより高いレベルになると貫通しなくても、着けている人が銃弾の威力に吹き飛ばされてしまう恐れがあり、防弾ベストが重量があるので実用的ではありません。
ほとんどすべてのケースがレベルⅡかレベルⅢAで必要十分であるといえます。
※ NIJ規格010104
防刃パネル
防護クラス
品質の良い鋭利な刃物:クラス(Pクラス、Sクラス)/工業生産されたもの。
品質の悪い、「スパイク」クラス。
防御レベル
防護レベルは3段階に分かれる。
それぞれ二段階のエネルギーでテストを行う。
① E1テスト:規程のエネルギーでテスト/7ミリまで刃先が出ても許容される。
② E2テスト:規程のエネルギーの1.5倍でテスト/20ミリまで刃先が出ても許容される。
裏当て
防護パネルの下に人体を想定した粘土を敷き、落下テストを行う。
刃物
テストでは、P1(薄い片刃の小型ナイフ)とS1(分厚い両刃の大型ナイフ)、そしてスパイク(アイスピック状)でテストします。
刃物を落下させる箇所
①防刃ベストの端より51ミリ以上離れた箇所。
②それ以前の落下個所から51ミリ以上離れた場所に落下させる。
実験で使う刃物は毎回新品。
P1:片刃ナイフ
P1:S1両刃ダガーナイフ
出刃包丁およびアイスピックに2.5㎏のおもりをつけて、高さ1メートルから垂直落下させて防刃パネルに衝突させる。
パネルの下には人体を想定し粘土をセットする。